翔んでアルミナリア
「俺が考え途中だったアイテム。創世神である竜が遺した鱗だ。姿を変えて世界のどこかに隠されていて、叡智と勇気をもってそれを見つけだしたら願いが叶う、っていう設定にしようかと…」

「それどこに隠されてるの?」
思わず話を遮って訊いてしまう。それがあれば、わたしたちは元の世界に戻れるのでは?

蓮くんの返事はにべもなかった。
「分かってたら、とっくに探しに行ってるよ」

「そっか…」

「神の遺産を巡る冒険って面白そうだな、って漠然と頭にあっただけで、プログラミングもしてなかった。だけど学び舎の連中とかに聞いた話だと、伝説として世界のどこかにあるって信じられてるみたいだ」

「でも、それと今回の事件がなんの関係があるの?」
話が見えてこない。

「昔からカリンガは、神の遺産が眠る地のひとつ、っていう言い伝えがあるんだって。とはいっても、同じような言い伝えはけっこうあっちこっちにあるらしい。徳川埋蔵金とか、消えたアトランティス大陸みたいなもので、人々の願望が混じったロマンだ」

「エレオノア姫とマリス王子が、神の遺産のありかを知ってるってこと?」
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