綺桜の舞う
それでも、親子関係は大事だからって、私のママにやんわり、傷つけないように、蛍とパパのソリは合わないけど、ママが幸せなら、別れて欲しくない、でも蛍は耐えられないからしばらくお家には帰らない、って言う話を、蛍の気持ちを全部汲み取った形でお話してくれた。


ママは、パパとの関係を少し考える、と言ってこの話を許可してくれたらしい。


それからしばらくして、朔が同い年だってことを知って、暴走族の人間だってことも知った。


暴走族。夜桜。最悪だと思った。
よりにもよって。


朔が、俺と一緒にいると危ないから、ちゃんと守ってもらわなきゃいけない、って言った。
あのお城に、初めて行ったのは朔と出会ってから1週間後。
そこで出会った人たちはいい人ばっかりで、すごいなって思った。
本当に暴走族?って。


その頃の夜桜は、叶奏が起きてすぐでてんやわんやしていて。
……叶奏は蛍のことなんて、1ミリも覚えてなかった。
まぁね、仕方ないよね。2年分、なくなっちゃったら。
蛍と叶奏が出会ったのは消えた2年間のうち、だったから。


それから、時は進んで2ヶ月後、蛍は朔に好きって言われて、付き合うことになって、正式に夜桜のお姫様になった。




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