綺桜の舞う
俺は蛍と反対側の朔の隣に座って楽しそうに話す2人を背もたれ越しにじっと見つめる。


「何?そんな珍しい?」
「夕があんな喋ってんの初めて見たわ」
「あー。確かにな。夕あんまり話さないから」


ま、あの2人にも色々あんじゃね?と、暇を持て余し出した蛍を連れてどこかに行ってしまう。


じっと、2人を見つめてみる。
女の子はやけに可愛い顔立ち、オタクかな?ってくらいのフリフリのピンクの服に黒のこれまたフリフリのスカート。とにかく可愛い。


「……可愛い」
「やめときなね〜。あんずちゃん、天然過ぎて話してたら頭痛くなってくるから」


後ろから聞こえたのは雪兎の声。
ストっと、さっきまで朔が座っていた場所に座る。


「伊織くんってああいう子好きだよね。
よくあんな感じの服着た女の子とホテル入ってくよね」
「あらー?見られてる?」
「だね。よくみるよ」
「んーでもそれって、あれだよね。
俺が入るホテルは〜表通りじゃないし、なんならホテルしかない通りだし?
雪兎もそういう人間なんだね?ん〜?」
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