綺桜の舞う
20.器用な気持ち、不器用な気持ち
「ねね、湊くん」
「ん?」
「海行きたい」
「太れ」
「……むぅ」
朝っぱらから何を言い出すと思ったら。
はぁ……。
「そもそも無理だって。
去年補習引っかかってたろ」
「そうだけど〜……」
だって覚えてないんだもん、と呟く叶奏。
……。
あの抗争があったのは中2の冬。
叶奏は中学の2年分の記憶が全く全部飛んでしまっているらしく、それは勉強のことに関しても例外なく。
どうやら、今うちの学校にいるのも、部活の特待枠で無理矢理食らいついたらしい。
本来ならば、中学と同じくバレー部に入ってなきゃ行けないんだけども、まさかの入って一ヶ月で退部。
理由が「部活の子と馬が合いませんでした」。
なかなか自由な生活を送っているようだ。
「中学の頃の出来とか」
「んー。テストの結果とか見てたらだいぶ良かったよ」
「そ」
テストまであと3週間。……間に合うか、微妙なところではある。
「今からテストまで勉強漬け耐えれる?」
「へ?」
「ん?」
「海行きたい」
「太れ」
「……むぅ」
朝っぱらから何を言い出すと思ったら。
はぁ……。
「そもそも無理だって。
去年補習引っかかってたろ」
「そうだけど〜……」
だって覚えてないんだもん、と呟く叶奏。
……。
あの抗争があったのは中2の冬。
叶奏は中学の2年分の記憶が全く全部飛んでしまっているらしく、それは勉強のことに関しても例外なく。
どうやら、今うちの学校にいるのも、部活の特待枠で無理矢理食らいついたらしい。
本来ならば、中学と同じくバレー部に入ってなきゃ行けないんだけども、まさかの入って一ヶ月で退部。
理由が「部活の子と馬が合いませんでした」。
なかなか自由な生活を送っているようだ。
「中学の頃の出来とか」
「んー。テストの結果とか見てたらだいぶ良かったよ」
「そ」
テストまであと3週間。……間に合うか、微妙なところではある。
「今からテストまで勉強漬け耐えれる?」
「へ?」