綺桜の舞う
それに伴って叶奏個人にも問題が出てきた。
族関係のことやら勉強のことやらに追われて、言っては来ないけど、夜寝てない、こいつ。
日に日に目の下のくまが濃くなっていく。


できることなら夜も一緒に勉強してあげたいんだけど、俺は薬の影響で眠い。


「叶奏」
「ん?」


ということで。


「今日泊まってく?」
「あ、うんっ」


強制的に寝かせる方針。


「叶奏、寝よ」


いつまでも勉強している叶奏に眠さの限界が来た俺は、後ろから叶奏を抱きしめてベッドに強制送還。
あわわっと慌てる叶奏を無視して、ベッドに下ろす。


「も、もう寝るの?」
「俺もう無理。11時だし、寝ても悪くないだろ」
「うーん……」
「たまにはちゃんと寝ろって」


俺は電気を消して叶奏を抱きしめたまま、目を瞑る。
叶奏も諦めたのか、俺の腰回りに腕を回して胸に顔を埋める。
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