綺桜の舞う
今日はいつもの戦いとは違って今まで以上にしっかり
作戦を練った分、想定外が起こったときの動揺は計り知れない。


「ん、日があるうちなら甘やすけど」
「キスして欲しい……」


振り返ると頑張って背伸びする叶奏。
普通に低くて困る。
俺は少し屈んで叶奏にキスする。


唇を離すとなんとも言えない顔で俺を見上げている叶奏。
……誘われてる。


「……まじで?」
「ちょっと私にいろんなことを忘れる時間が欲しい」
「俺に長期戦は無理だからな?」


後に引けなくて、叶奏をベッドに押し倒す。
……あぁ、俺節操なしみたいじゃん。
ごめん伊織。俺は夜じゃなくて昼タイプなんだわ、絶対部屋入ってくんなよ?
鍵開いてんだからな。


「湊くん……」


既に不安そうな顔の叶奏。
総長の責任はこの小さな背中には重すぎるらしい。


「大丈夫だから」


俺は叶奏にキスを降らす。
当たり前みたいに叶奏の口の中に入っていく舌。


すっと、太ももに手を伸ばす。
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