綺桜の舞う
「いいえ、とても好みです。自分の足で立っている感じがして、とても好感が持てます」
「それは、よかったです……まぁ、あなたに好かれても、どうしようも、ないのですが」


殴られた叶奏は防御しながらも衝撃でざっと後ろに下がる。
バランスを崩して床に手をつく、その瞬間、男はすでに目の前にいて。


「終わり、ですかね」


叶奏に足が伸びる。


「……甘い、です」


叶奏はその足の動きを読んで、そのスピードと遠心力を使って、白髪の後ろに、そのまま、回し蹴り、高い打点、頭を狙う。


当たり前のようにクリーンヒット。
横にぶっ飛ぶ白髪に、叶奏は一度息をつく。


「どう、ですか」
「素晴らしい、です。
ただ、組の人間なので打たれ強いですよ、俺も。
愛する人を手に入れるためなら立ち上がります」


そう言って立ち上がる、白髪。
ダメージは受けているものの、まだ戦えそうだ。
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