綺桜の舞う
一方叶奏は、防御に駆使した左腕がそろそろ上がらない。
体はボロボロ、足からは血が流れている。
ちらりと、こちらを一瞥する。
「……叶奏」
優しく笑って、そして相手の方を向き直した。
「……私、自分より強い方は、何故か苦手なんですよね。どうしてかは、覚えてないですけど」
叶奏はそう言うとふぅっと息を吸って、目を閉じて、息を吐く。
かっと目を見開く。
総長の目………………ではない。
俺が、俺たちが見たこともない、覚醒した目。
瞳に光のささない、人の心を失ったような、人が変わってしまったような。
……トラウマに、なりそうな目。
俺はこの目を知っている。
明らかに、こいつは。
「やっぱりその目、組の人間じゃないですか」
「そうなのかも、知れませんね。覚えてないので、わかりません」
体はボロボロ、足からは血が流れている。
ちらりと、こちらを一瞥する。
「……叶奏」
優しく笑って、そして相手の方を向き直した。
「……私、自分より強い方は、何故か苦手なんですよね。どうしてかは、覚えてないですけど」
叶奏はそう言うとふぅっと息を吸って、目を閉じて、息を吐く。
かっと目を見開く。
総長の目………………ではない。
俺が、俺たちが見たこともない、覚醒した目。
瞳に光のささない、人の心を失ったような、人が変わってしまったような。
……トラウマに、なりそうな目。
俺はこの目を知っている。
明らかに、こいつは。
「やっぱりその目、組の人間じゃないですか」
「そうなのかも、知れませんね。覚えてないので、わかりません」