綺桜の舞う
時々感じる、尋常じゃないくらいの殺気はどこで心得たものなのか、すごく怖く感じる時がある。


「……いつか、絶対、全部を知る時が来るから、それまでまってて」
「教えてくれんの?」
「……」


じっと俺を見つめる陽向。
くりくりの目が、俺を捉えて、微かに揺れる。


「まぁ……信頼してるから」


陽向はそう言って、そろそろ手が空いたであろう沙彩ちゃんに向かっていくのだった。


まぁ少なくとも。


「19であの身長なら、もう希望ないな……」


俺の顔は多分、すごく、今苦笑いだと思う。
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