綺桜の舞う
◇ ◇ ◇


俺は1人でのんびり20分くらいみんなが遊んでいるのを眺めていた時。


「あっ、伊織さんっ!」


全く聞き覚えのないアニメ声に、名前を呼ばれて振り返った。
誰だよ、と思っていたら、合流予定だった雪兎と、女の子。
多分、声の主はこの子で、あんずちゃん。


「おー、お疲れ。長旅ご苦労様」
「ほんとだよ。2ケツで2時間半はきつい」


噂によるとあんずちゃん、無免らしい。
いや、危ない時用に運転はできるみたいなんだけど、無免らしい。
雪兎、ご苦労なこった。


「ちなみに、叶奏ちゃんは?」
「お部屋で湊といちゃついてんじゃない?
もしかしたらまだ起きてないかもだけど」
「……じゃあ、行かない方がいいですよね」


チラリ、と雪兎のことをみるあんずちゃん。
コクリと頷く雪兎。


「そうですよね……じゃあ私ここで、皆さんのこと見てます」
「水着は?」
「大丈夫です、持ってないので」
「まぁ好きにしたらいいよ。俺先別荘行ってるから。
なんかあったら伊織とか朔とか適当に連れて帰っといで」
「わかりました」
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