綺桜の舞う
別荘に戻っていく雪兎の背中にひらひらと手を振るあんずちゃん。
そしてどうしたものかと振り返って、俺をみる。


「こんにちは」
「こんにちは」
「中峰あんずです」
「知っておりますとも」


にっこりそういうと、あんずちゃんは驚いた顔をする。


「……知ってるんですか？」
「夕と仲いいじゃん？」
「あっ……そうですね。
よかった、悪目立ちしてるのかと……」


あたし、アホなので、と笑うあんずちゃん。
……アホそうだね。


「学校での夕はどう？」
「えっ、夕ですか？普段と一緒です。
ずーっと喋んなくて、たまに話しかけたらすっごいツンツンしてて。なのにモテます」
「一番やなタイプだね」
「です。伊織さんみたいにフレンドリーにいろんな人とお話ししてるといいんですけど」


ムッとした顔で、俺の隣に座るあんずちゃん。
以前のフリッフリのオタク服じゃなくて、白の肩出しのパーカーに黒のショートパンツ、という水着じゃなくてもすでに露出しまくりの服装。
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