綺桜の舞う
「似合ってるよ?」
「……叶奏ちゃんのだと思うとそれだけで恥ずかしいです」
「叶奏ちゃん好きだね?」
「可愛く無いですか?すごく、憧れなんです」


ふわっと笑うあんずちゃん。


……この子なんでこんな可愛いんだろ。
ちょっと。


「そうだね〜」


調子狂う。


「叶奏ちゃん、憧れます。ドストライクなんですよね。振る舞いから服装やら何から無いまで、理想像っていうか」


ニコニコと叶奏ちゃんについて語り出すあんずちゃん。
本当に好きなんだなと、思わせられる。


「あんずちゃんは、可愛いね」
「……なんでそうなります?」
「真っ直ぐだから?」


俺はあんずちゃんの頭を撫でて、ちゅっとおでこにキスをした。
案の定、顔を真っ赤にしたあんずちゃんな訳だけど、俺は笑って部屋を出た。
すごーく怒りながら、俺の後ろをついてくるあたり、悪い気はしていないのか、それともただの天然なのか。


……後者なら、立ち悪いなぁ。
< 191 / 485 >

この作品をシェア

pagetop