綺桜の舞う
叶奏はいったい、何者なのか、その答えはきっと、失った2年間にあるんだろうけど。
少なくとも俺はあの瞳を知っている。
青狐の総長と同じ目。


そして……。



俺は目を瞑る。
朝起きたら今日のことが全部夢で、隣にいる叶奏はいつもみたいに可愛い寝顔しているなんて都合の良い夢物語があるわけないんだけど、少なくとも、あの瞳を俺は忘れたいと、切に願った。


叶奏が、俺が、壊れてしまう気がしたから。




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