綺桜の舞う
「あー、みんな、とりあえず叶奏から離れよう。
あいつ誰彼構わずキスするから。前科有りだから。
近づいたら、湊くんに抹消されるよ」


雪兎のその言葉に、ベッドで寝てしまっている陽向以外は俺たちから離れていく。
その間も俺は、叶奏のキスの集中攻撃。
俺は無理やり叶奏を引き剥がす。


「ちょ、叶奏……」
「湊くん、お酒飲んれないの……?」
「飲んでないけど……てか、叶奏そんな飲んでないだろ。もしかしてめっちゃ弱い?」
「ん〜……わかんない。れも気分はとってもいいよ?」


頭ポワポワだね〜、とふにゃっと笑う叶奏。


「とりあえず水飲め。
ていうか、寝ろ」
「……キス、やなの?」
「いやとかじゃなくて、」
「じゃあいーれしょ?」


俺はぐっと首を引かれて、再度キスの餌食に。
今度は舌まで入ってきて、本当に酔っ払ってるんだなって。
普段なら絶対しないから。


「いやぁ、いいもん見れてるね〜」
「久々に叶奏の悪酔い見たかも」
「俺も……アレの餌食だった時期があったんだから、鳥肌だよな」
「……夕、それは言い過ぎな」
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