綺桜の舞う
なんだか見せ物みたいな扱いをされている俺。
叶奏はいつまでも俺にキスするのをやめない。
そして腹立つことにうまい。
めっちゃやなんだけど。
これ見られるの本当やだ。


すごい。


「写真撮るなら今だよな」


恥ずかしい。


「てか、叶奏ちゃん顔えっろ」
「叶奏は顔の作りがもうまずかわいいからね」
「あー……なんで蛍はキス魔にならねーんだろ」
「蛍はそもそも酔わないじゃん」
「酒強いな、あいつは」
「悪酔したら、喧嘩売ってくるしな」


叶奏は、他の奴らの存在なんか無視して、俺にキスを続ける。
俺はもう、あいつらの存在に気が散って仕方ない。


「……湊、くん?」
「……なに」
「ちゃんと集中して……?……寂しい」


叶奏はポタポタ涙を流しながら、俺の鎖骨に唇を寄せる。
……マジでこいつ、やりたい放題だ。


「待て待て待て、そんなとこにキスマつけないで」
「ん……む、」
< 215 / 485 >

この作品をシェア

pagetop