綺桜の舞う
あっけなく琥珀の口から告げられた事実になんとなく空気が淀む。
こうさせているのは明らかに俺で、それから、今回のことの罪はかなり俺にあるんじゃないかと、そんな気持ちに苛まれる。


さっきまでの罪悪感とは別種の、もっともっと個人的な感情。



「あー……止めとけばよかった」
「どうやって?抗争なんかそう簡単に止められるものじゃないでしょ?」
「せめて、もう少し対策は取れたでしょって話」
「……」


今更どうしようもないのに、投げやりに言葉を吐き捨てる俺に困った顔をする琥珀。


だから、調べたくなかった、と口元が動く。
俺はその口に自分の唇を寄せて、静かにそれを合わせる。


「……ありがとう、ごめん、俺ダメな人間で」
「ん……わかってたことだから。
でも、ボクが頼れるのはユキだけなの、忘れないでね」
「……うん」


俺は琥珀の言葉に素直に頷いて、琥珀の肩を押す。
パサっと、ベッドの上に広がる白い髪。


「琥珀」
「……ん」
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