綺桜の舞う
……なかなかラブラブなご様子で。
そんなベタベタしてて、よく男作ろうとしたと思う。


「あれ、夕ご執心?
そんな叶奏ちゃん好き?」
「叶奏は幼なじみ」
「あーね」


とそんな会話をしているうちに伊織と夕はあれよあれよと常駐虫の輪の中に吸い込まれていく。
どうやら、またゲームするらしい。


で、ポツンと残されたのは陽向。
じっと、姫野を見つめている。


「ん?どうしたの?えーっと……陽向くん?」
「っ、ぼ、僕の質問に答えてくださいっ!」


何故か、半泣きになりながらそういうと急にビビったのか、俺の後ろに半分身を隠す。
で、結局近づいてきた姫野に顔を覗かれて、うぅ、なんて唸って。


「あ、あの……そちら様に、沙彩ちゃん、いますか?」
「え、沙彩?いるけど……どうして?」
「あっ、あっ、別になんでもないです……」
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