綺桜の舞う
本来ならあの日は沙彩に誘われてた日で、余計に虚しくて。



俺は1人で繁華街を歩いてた。



夜の街なだけあって治安がほんとに悪くて、その日も一本路地に入っただけで、まぁ言葉にするのもおぞましいくらい。








ゆっくり、路地を抜けようと歩く。
後5メートル。


と。そんなところに。


「……っ、」


俺が路地を抜けようとした時に、すごいスピードで路地に飛び込んできた女の子がガッツリ俺にぶつかった。


「っ、た、助けて……っ」


俺に大衝突したその子は俺にしがみついて、暗闇でもわかるくらいしっかり涙を流していた。


「え……何事?」
「あの、追いかけられてて……助けて……くださいっ」


すぐに現れたのは、この女の子を追いかけてたであろう、黒服の男たち。


「……まっ、じかよ……。誰に何したらこんなことなるわけ……」
「せっ、説明は後でいいので!」
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