綺桜の舞う
いや、やばい……これは。
ほんとにやばい。
泣かれると、どうしようもないんだけど。


「……それ、族潰すしかないんだけど」
「へ……?」
「だから……総長絡みは潰すのが一番手っ取り早いんだよ」
「……もう、いいよ、潰して。
バックについてる組……怖い……。
お姫様も今、スパイしてるとか……聞くし」


ベッドにあぐらをかいてぶつぶつ。


……俺、ほんとにやばい子拾ってきたかもしれない。


「……なぁ、俺一応族の人間なんだわ。
それ、あんまり俺に言わない方が……」
「ここまで聞いて、ボクのこと助けてくれないの?」


……ハメられた。思いの外策士かもしれない。
俺は頭をかく。


「あーも、わかったから。
助けれるって保証はないけど……とりあえずできることするから。わかってる情報全部」
「……刃牙。私のいるところ。
総長は、天馬薫風。お姫様の名前はおしえてもらってないけど、スパイに行ってるのは、夜桜」
「……は?」
「へ?」
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