綺桜の舞う
「……そ、れは」
「前払いで。女の子は身体売るのが一番安いんだよ?」
「……」


とりあえず最低なことを言う。
いや、別に口実はなんでもよかった。
この子にしばらく寝てもらうためなら。
あわよくば、俺のことを頼らないで欲しい。


……おかしい、気がするんだよ。
話ができすぎている気がして。


そして1時間後、俺は琥珀を眠らせることに成功して、身体やら服やら、荷物やら全部確認。
盗聴器はないし、なんなら、普通に学校もわかるような学生証まで入っていて。


……俺にぶつかったのは、故意じゃない、か。


「ん……」


ベッドの上で寝返りを打つ琥珀。
とりあえず、俺は琥珀を信用することにして、琥珀のスマホのロックを勝手に開けさせてもらう。
指紋認証とか、一番ガバガバなとこある。


俺はスマホが録音盗聴盗撮がないことを確認して、LINEも全部確認。
それこそ総長らしき人物もちゃんといて。


「……」
「……スマホ、いいものないよ」
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