綺桜の舞う
「あれだけ女いたら絶対叶奏に酒のノリで飲ますやついるから。
そうじゃなくても、雪兎は飲ますよ」
「……クッソ害悪だな」
「だって大体夜桜の倉庫で叶奏が潰れる時なんか、雪兎が飲ませまくって、泣き上戸に仕上げるから」
「あいつほんと最悪……」
「雪兎は酒強いからな」


……案の定、数分後には叶奏の周りには三本の空き缶。
夕が寝落ちてちょっと幹部室まで運んでる間に、誰かが飲ませたぽい。


「み、みにゃ……みなとくん、」
「うん」
「みにゃとくん」
「……うん」
「みにゃ……にゃにゃ……?」


明らかに様子がおかしい叶奏ではある。飲み過ぎてキス魔を通り越したか。全くろれつが回ってない。


ガバッと抱きついてきて、湊くん好き好き攻撃。
俺の足の上で永遠とそれしか言わない30分。


「……叶奏、酒臭い」
「みにゃとくんも、飲む?」
「……いいよ、俺も酒弱いから」
「そなの?……ちょっとらけ、のーってよ?」
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