綺桜の舞う
「いいから、飲ませなくて。
俺ほんとに弱いから」


残ってるよ、すらまともに発音できない。
そろそろやばいなこいつ。
俺の膝の上に乗ってギュッと抱きついてくる叶奏。
体がちっちゃ過ぎて最近抱きしめるのすら不安になる。


「それにバイク運転して帰らなきゃだし……」
「れもれも、きょはおとまりするれしょ、?」
「泊まる?俺は帰るけど」
「とまりたい……み、みにゃ……みにゃとくん、おくすりちゃんと、も、てない?」
「もともと泊まる予定じゃなかったから明日の朝の分がない」
「んん……いっしょかえる……」


ギュッと抱きついてきて、もうどうしようもないくらい甘えたモード。
俺以外とコミュニケーションを取る行為を捨てている。


「……みなとくん」
「あ?」
「……好き〜」
「……うん」


ダメだこりゃ。いつもよりポンコツだ。
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