綺桜の舞う
「……寝る?」
「俺そろそろ帰んないとと明日に響く」
「ん……寝る」


もう頭が働いてない叶奏は、俺も少し噛み合わない会話した後、俺の首に吸い付くだけ吸い付いて、動かなくなった。
……見えるところにキスマつけやがって。


「伊織」
「ん〜?あ、帰る?」
「あぁ」
「うん、おつかれ、また明日」
「さんきゅ」


俺は叶奏を抱き上げて、倉庫の外に出る。
……最近酒多いからか、重くなった気がする。


「叶奏、20分我慢できる?」
「ん……起きてーよ?」
「ほんとちゃんと起きてろよ?不安だけど」
「みなとくんにつかまってたらいーれしょ……?」
「うん」


俺は叶奏を下ろしてバイクに跨る。
明らかにお腹に回った手に力が入ってなくて、俺は不安になりながらも左手を叶奏の手にやった。


……片手運転とか、怖すぎるけど。


俺はとんでもなくゆっくり、家までの道を進む。
普段よりも10分くらい時間はかかったけど、まぁ叶奏は振り落とされず。
結局爆睡。
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