綺桜の舞う
「なんだー、そういう関係になったんだから、アリなのに」
「俺的には無し」
「合鍵渡した?」
「……渡した」


「叶奏ちゃんの部屋のは?」
「もらった」
「これでいつでも部屋行き放題じゃん、エロ本は隠しとけよ」
「ほんっとうざいお前」


この男、ガチでなんなんだよ、マジふざけんな。


「ま、叶奏ちゃんのおかげで、今日の陽向は学校に来てないわけだけど」
「しかたないだろ……陽向んち、連れてけない」
「へいへい、陽向朝イチ、やばいもんねー。
女の匂いに反応する、っていうか」


伊織は袋からスティックパンを取り出す。
見た目以上によく食べる。


「前の彼女にフラれた理由、それだからな」


俺は昨日の晩ご飯の残り物を食べ切ると、弁当箱をしまう。
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