綺桜の舞う
多分、と不安なことをいう叶奏。
俺はそっちの方が大丈夫じゃないと思う。
「……病院行こうって言っても、行かない?」
「今回は絶対行かない」
「うぅ……ほんとに、死なないでね」
「ん、わかってるから。ちょっとだけ待ってくれたら、バイク走らすから」
「……私、運転するよ?」
「いや。いい。前科持ち怖い」
「ぜっ、たいこけない」
「自信ありそうでない発言やめろ。大丈夫だから。
あと五分だけ、待って」
俺はそう言って少しの間、目を瞑る。
まぶたの裏に浮かぶのは、俺と、伊織と、薫風で遊んでいた、ガキの頃。
薫風、お前……こんなとこで何やってんだよ。
幸せになるって息巻いて出て行ったお前は、そんなやつじゃなかっただろ。
……って、俺も、暴走族とか、そういうタイプじゃなかったけども。
時の流れは、恐ろしい。
俺はそっちの方が大丈夫じゃないと思う。
「……病院行こうって言っても、行かない?」
「今回は絶対行かない」
「うぅ……ほんとに、死なないでね」
「ん、わかってるから。ちょっとだけ待ってくれたら、バイク走らすから」
「……私、運転するよ?」
「いや。いい。前科持ち怖い」
「ぜっ、たいこけない」
「自信ありそうでない発言やめろ。大丈夫だから。
あと五分だけ、待って」
俺はそう言って少しの間、目を瞑る。
まぶたの裏に浮かぶのは、俺と、伊織と、薫風で遊んでいた、ガキの頃。
薫風、お前……こんなとこで何やってんだよ。
幸せになるって息巻いて出て行ったお前は、そんなやつじゃなかっただろ。
……って、俺も、暴走族とか、そういうタイプじゃなかったけども。
時の流れは、恐ろしい。