綺桜の舞う


◇ ◇ ◇


「みーなーとーくんっ」
「あと5分だから待って」
「うんっ」


俺の調理の時間が終わるのを俺の隣で永遠と待ち続ける叶奏。
ちなみに、蛍は今年もフリフリのメイド服で彼氏を妬かせている。


「私も蛍みたいなの着たい」
「俺はメイド服より、アリスの方が好き。あれ」


奥にいる女子が着ているのを指す。


「何?あの子が可愛いって?」
「お前マジで殺すぞ。あの服がお前に似合うって言ってんの」
「……そう?」


ぷくっと口を膨らませたまま疑わしい、と言った顔で俺のことを見つめる。


最近本当に、叶奏への加減がなくなってきて口が悪い。申し訳ないとかは全く思ってないけど、傷ついてないか不安になることもある。


「シフトチェンジ入りまーす」


……まぁ、ニコニコの叶奏を見てたら大丈夫そうだけど。


解放された俺は、叶奏を連れて教室から移動。
なんだかんだ俺の後ろをついてくる叶奏。
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