綺桜の舞う
「まぁいいけど。後夜祭どこも迎えに行くからひょいひょい誰かについていかないで」
「わかった〜」


朝イチ、すでに叶奏の下駄箱に大量にラブレターが入ってたのは見たから。
彼氏いる人間に、そんなホイホイ告白する人間はわけわかんないし、人のこと言えないのはわかってるんだけど、叶奏もホイホイ呼ばれた場所に行くしでちょっと頭おかしいと思う。


「湊くんは消さないんだね」
「できれば消したい。伊織にも蛍にもいじられるし」
「湊くんコンシーラーとか持ってないもんね」
「しかもここだと襟につくから洗うのしんどいし」


ニコニコの叶奏。
表情がよく変わる。


俺たちは唐揚げを買ってのんびり叶奏のクラスへと歩いた。


「おいひい」
「それは良かったな」


ちなみに金は俺持ち。
財布持ち歩かない主義怖い。
いや、持ち歩かれても叶奏ならスられかねないから怖い。
どちらにせよ、怖い。


「ん、湊くんも食べる?」
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