綺桜の舞う
ポタポタと涙が溢れる。
熾烈な戦いを繰り広げる人たちの中に、鉄パイプを持つ人間。
甲高い音が響く。
それが、あの人の、背後に。
あぁ、ダメだ。覚えてる、あの時私。
失敗したんだ。
「総長……っっ」
自然と溢れた言葉。
意識も朦朧として、パニックになった私の高いがなり声。
柵を乗り出して、必死に声を届けようとする私に気づいたのは、陽向と沙彩。
私はその映像を最後に記憶を失った。
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