綺桜の舞う
自分のせいで仲間の記憶を失ってしまったという事実は、どれほど陽向の身体にのしかかるものだっただろうか。
「僕は叶奏が目を覚ます前に消えたから、記憶がなくなってるのを知ったのはいおりんたちと同じタイミングなんだけど……。
僕、弱いから、逃げちゃったんだよ。
叶奏のこと傷つけて、このままで大丈夫なのかなって思っちゃったんだ。
申し訳ないけど、叶奏に沙彩ちゃん重ねちゃって……沙彩ちゃんが傷つくのが怖すぎて、でも、そんな簡単に吹っ切れるようなあっさりした性格してなかった。
だから僕、いおりんと出会った時、死にたかったんだよ。
本当に、消えてしまいたかった。
守りたい人を守れない自分に存在価値なんて、ないって思った」
有村は陽向の隣でソファの上に三角座りして、聞かないように、でも聞かなきゃいけないような感じで、涙を流していた。
空虚を見つめる視線。
「僕は叶奏が目を覚ます前に消えたから、記憶がなくなってるのを知ったのはいおりんたちと同じタイミングなんだけど……。
僕、弱いから、逃げちゃったんだよ。
叶奏のこと傷つけて、このままで大丈夫なのかなって思っちゃったんだ。
申し訳ないけど、叶奏に沙彩ちゃん重ねちゃって……沙彩ちゃんが傷つくのが怖すぎて、でも、そんな簡単に吹っ切れるようなあっさりした性格してなかった。
だから僕、いおりんと出会った時、死にたかったんだよ。
本当に、消えてしまいたかった。
守りたい人を守れない自分に存在価値なんて、ないって思った」
有村は陽向の隣でソファの上に三角座りして、聞かないように、でも聞かなきゃいけないような感じで、涙を流していた。
空虚を見つめる視線。