綺桜の舞う
伊織の言葉に、あぁそっか、と呟く朔。
パソコンを開いて、俺たちに画面を見せる。


「俺らこの3年間、別に何もしてなかったわけじゃなくて。
水面下で黒幕を探してた。パソコンに詳しい雪兎中心に。
それで出てきたのがこいつら。


刃牙。総長は、天馬薫風。姫は情報が隠されててわからないけど、おそらくは鬼王の抗争のときにいた白いの。
こないだの抗争の指示してた黒髪。
3年前の抗争の原因はおそらくこいつら、で、目的は世界一の座だっていうのが俺らの調べた結果。
これ以上の情報はまだ無いけど、ただ」
「このままでは、終わらないだろうねぇ」


薫風、かぁ、と俺の隣で伊織がつぶやく。


「どう思う?」
「天馬って言ったら……普通に無理だろうな」


天馬、裏の世界では有名な組の家柄。
極悪非道、って言ったら一発で表せるような典型的なタイプ。
昔よく聞き馴染んだ記憶。


「そうじゃなくて。
あの薫風が……結構洗脳されたと思わない?」
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