綺桜の舞う
「ん〜、湊くん?」
「何?」
「ポカポカだね」
「もう冷えた?寝るか」
「違くて、湊くんに抱きしめられてるのがあったかいよ?」


あぁ、単純に。恥ずかしい。
スマホ触って無表情貫いてるつもりではいるけど、バレてないか心配。
しばらくぶりの叶奏は割と心臓に悪い。


「明日の朝も6時でいい?」
「ん、もう寝るの?」
「なんかしたいことある?」
「んーん……別に」


……また。
なんだろうか、この違和感は。


普段ならもっとこう。
自分からぐいぐいきて。ちゅーして、なんて恥ずかしいことを恥ずかしげもなく言ってくるのに。


「こっちむける?」
「ん?」


振り返った叶奏にキスを落とす。
いつも通りの大人なキスに……いつもよりヘッタクソな対応。


……なんか、こういう時だけいらない勘が働くのマジで嫌なんだけど。


俺は叶奏を押し倒して、キスの雨を降らす。


溜まってるとか、そういうんじゃない。いや、なくもないけど。
今回はそうじゃなくて。
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