綺桜の舞う
「……お迎えに、行きますよって話」
「ふぅん。……俺が寝てる間に連絡先抜き取ったもんね?」
「……ご、ごめんなさい」


こないだと同じくらい、キレてる……のだろうか。
そんなに怒らなくたって……ボクと出会った時同じことしたじゃん。


「こーはーく」


いつもより、甘えた声。誘ってる時の声じゃなくて、本当にただデレデレしてる時の声。


「な、に?」
「好き」


ドクっと胸が高鳴る。
あ、顔赤くなった、とにっこにこの笑顔でボクにキスを落とす。


「琥珀はさ?」
「うん」
「ほんとに、男に興味ないの?」
「……なんで?」
「だって。いっつも受け身だし。
俺がシたいって言った時だけしか、シないし。
そりゃ俺のこと好きじゃないんだから誘わなくて普通なんだけどさ。……なんていうか。琥珀はこんな関係、本当に良かったの?」


……こっちも、最近。ボクからしたら怖い。
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