綺桜の舞う

『……ボクは、ユキと笑ってる未来が欲しい』


ボクがアレを言ったあの日から、ユキの態度が少し変わった。


今までなら、やりたいようにやって、シたいときにボクのことを呼びつけて、好きなように好き好き言ってきて、なのに。


全部、無くなった。


急に連絡来ることなんてほとんどなくなったし、呼ばれなくなった。好きも、さっきのが、1ヶ月ぶり。


実際。
ボクはユキと一緒にいたいと思ってるし、あわよくばユキの隣で笑っている未来が欲しい。
あれほどうざったいと思っていた、ユキとの関わりがこの2年のうちに日常化して、ボクにとってないと困るものになってしまっている。


ユキがいないと、世界にひとりぼっちにされてる気持ちになる。


「……ユキに、助けて欲しい、から」


ユキじゃないと、嫌だ。
わかってる、これだけの言葉じゃ、ボクの気持ちが本当の意味で伝わるわけじゃないって、わかってる。
わかってるけど、これでいい。


「……そっか」


いつでも離れられるように。
下手な繋がりは持たないように。
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