綺桜の舞う
「……なぁ蛍、一つだけ、聞いていいか?」
「……っ、な、に」
「ここにいるメンツ、やけに強くね?そっちの」
「……蛍は知らない」
「人数、多すぎだろ。刃牙のメンツ、3分の1ぐらいいない?」
「そんなの……」
「お前、副総長のくせになんでここにいんの?」
「……っ」


あれ、痛いとこついた?とニヤける朔。


「蛍、やっぱ俺のこと好きだね」
「なんのこと?蛍は刃牙の人間で」
「いや、蛍はちゃんと、夜桜の人間だよ」


勝ち誇った笑みを浮かべる朔。
蛍の思惑は、全部、朔に筒抜けみたいだ。


「どこまでが予定通りだった?」
「……朔が、ここに自分から留まるって言ったとこ。
戦いが始まって、こっちが優勢だったところ」
「どこから、狂い始めた?」


にやにやと、余裕な笑み。


蛍は、何のためにここにいるんだ。
なんのために、ここでこいつらを足止めしてるんだ。
なんのために、朔を裏切って趣味の悪い特攻服を着てるんだ。


「……朔が、全然倒れてくれないとこっ」


朔を倒せなきゃ、意味ないじゃないか。
< 391 / 485 >

この作品をシェア

pagetop