綺桜の舞う
私のことを好きだと思ってくれる人の隣にいたら、いつか陽向のことを忘れられると思っていた。
本当に、無理でしかなかった。
私には陽向しかいない。
いなくなられると、本当に。今度こそ。
私が死んじゃうから。
私に向かって拳が飛んでくる。
私はそれを避けることなく腕で受け止めて、骨が軋む感覚に耐えながら、拳を繰り出す。
交わせない。
陽向に前に進んでもらうためには、私が全部受け止めなきゃ。
……き、つい。
昔より、背後のカバーが甘くなってない?
ダレてんじゃない?ふざけてる。
こっちは2人分の命を背負ってるっていうのに、陽向は余裕な顔してる。もっと捌いてくれ。
じゃなきゃ、私の体力がもたない。
次々と繰り出される拳、敵の切れ目、最後の一発が、ピキッと、骨にヒビを入れた感覚があった。
「……っ、ぅ」
「沙彩ちゃん!?」
「……だ、まって、前向いてて。
まともに敵捌けてないんだけど……カバーきついよ」
「ご、ごめんっ……」
本当に、無理でしかなかった。
私には陽向しかいない。
いなくなられると、本当に。今度こそ。
私が死んじゃうから。
私に向かって拳が飛んでくる。
私はそれを避けることなく腕で受け止めて、骨が軋む感覚に耐えながら、拳を繰り出す。
交わせない。
陽向に前に進んでもらうためには、私が全部受け止めなきゃ。
……き、つい。
昔より、背後のカバーが甘くなってない?
ダレてんじゃない?ふざけてる。
こっちは2人分の命を背負ってるっていうのに、陽向は余裕な顔してる。もっと捌いてくれ。
じゃなきゃ、私の体力がもたない。
次々と繰り出される拳、敵の切れ目、最後の一発が、ピキッと、骨にヒビを入れた感覚があった。
「……っ、ぅ」
「沙彩ちゃん!?」
「……だ、まって、前向いてて。
まともに敵捌けてないんだけど……カバーきついよ」
「ご、ごめんっ……」