綺桜の舞う
私はどうしようもできなかった。
その頃、刃牙の倉庫では、蛍と話すようになって、うんそうだね、なんてすごく適当な返事をいつもしてきて、でも聞いてくれるだけで私は少し楽になった。
そして、抗争当日。
私は失敗した。
ちゃんと攫われて、夜桜がこちら側の倉庫に来て、でも私は、裏切れないと、思ってしまった。
だから私は薫風を振り切って抗争に参加して、刃牙の合間を縫ってみんなの元へ行こうとした。
そしたらちょうど、総長が狙われていて。
叫んだ、叫んで走ったところで、私の記憶は失われた。
…………あれから、もう、3年。
薫風と会うのはあれ以来。
私はゆっくりと目を開いて懐かしすぎる天井を見上げた。
部屋の匂いも変わっていない、ベッドの感触も。
「あぁ、起きた?」
ピキッと背筋に力が入る。
視界に入ってきた薫風は優しい顔で私のことを見つめていた。
「起きたよ」
「久しぶりだね、元気だったみたいで」
「うん」
「男も、できたみたいだけど」
その頃、刃牙の倉庫では、蛍と話すようになって、うんそうだね、なんてすごく適当な返事をいつもしてきて、でも聞いてくれるだけで私は少し楽になった。
そして、抗争当日。
私は失敗した。
ちゃんと攫われて、夜桜がこちら側の倉庫に来て、でも私は、裏切れないと、思ってしまった。
だから私は薫風を振り切って抗争に参加して、刃牙の合間を縫ってみんなの元へ行こうとした。
そしたらちょうど、総長が狙われていて。
叫んだ、叫んで走ったところで、私の記憶は失われた。
…………あれから、もう、3年。
薫風と会うのはあれ以来。
私はゆっくりと目を開いて懐かしすぎる天井を見上げた。
部屋の匂いも変わっていない、ベッドの感触も。
「あぁ、起きた?」
ピキッと背筋に力が入る。
視界に入ってきた薫風は優しい顔で私のことを見つめていた。
「起きたよ」
「久しぶりだね、元気だったみたいで」
「うん」
「男も、できたみたいだけど」