綺桜の舞う
「ん?決闘とか。今はまだ勝てねーけど、絶対勝つもん。
それに俺、湊とダブルデートすんのが夢。
もちろん、俺もお前も本命の彼女つれて。
2人で海行くのもいいかもな。仲間連れてでもいいけど。腹割った話もまだまだし足りない」
「……」


「あ、言っとくけどお前のために作るんじゃないよ?俺が、お前と生きるために作る」
「……あぁ、わかってるよ」
「俺と一緒に生きようぜ、湊」


伊織が差し出した手を俺はしっかり掴んだ。
伊織と一緒に生きるって約束した。
俺も、そう決めた。


それでも、どこか死を迎え入れる気でいた俺は、病院に通院することを拒否して、なんとなく学校に行って、なんとなく放課後は倉庫で居眠りして。


俺が変わったのは、あの日。


『友達の家に家の鍵忘れました、泊めてください』
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