綺桜の舞う
「いや、まぁそうだけどさ。
いつもわりと近くで、見てたじゃん。
今回、もう時期も時期だし、みんなの顔見てなくて……生きてるか不安なんだけど」
「伊織が生きてるって言ってたんだから信じてやりなよ」
「そうだけどさ……」


……とは言う俺も、実際のところは全然見てないし。
今の倉庫に、幹部クラスば全然来ないし、他の奴らだって自分のことで手一杯。
俺だって不安だ。








実際のところを言うと、3年前のあの抗争の前から、叶奏の存在から夜桜に精通していた俺としては、叶奏が刃牙の人間だったことを知っていたし、後から入ってきた蛍さんのことも同じくだった。
ユキが刃牙の女をかまい始めたことも知っていた。


自分の好奇心と、ハッキングの腕をここまで呪ったことはなかった。やめておけばよかったって、何回も後悔した。
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