綺桜の舞う
覗いたのは叶奏ちゃん。
どうやら、僕がみーにゃんの膝の上にいるもんだから、見てはいけないものを見たと思ってしまったらしい。


「違う。どした?」
「いや……えっと。
陽向くん、大丈夫?」
「……大丈夫じゃないです」
「お、落ち着いて?大丈夫だよ!……多分」


叶奏ちゃんはすごくすごく申し訳なさそうにそういう。
謎の自信に少し戸惑う。


「……沙彩ちゃんんん」
「はいはい、お前がピュアピュアなのはよくわかったから。そろそろ落ち着け?駄々こねてないで好きなら好きでとりあえず当たりまくれ」


うぅ……だって沙彩ちゃんは僕のヒーローで。
そんな簡単に、諦めれるほど薄っぺらな気持ちなんかじゃなくて。


「んで、姫野の用事は?」
「えっ……」
「他になんかあってきたんだろ?」
「あ、うん……こんなときに悪いんだけど」



「綺龍の中学生組が襲撃、されたらしくて……」
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