綺桜の舞う
「……今そういう雰囲気じゃなかった……よ?」
「一瞬でそういう雰囲気になった」
「なってない。しない。……あんまそうやってすぐ押し倒したらヤリモクだと思っちゃうかもだよ?」
「……思ってる?」
「思ってない、けど……」


昔はすごく思ってたけど。


「でも……そういう気分じゃない、から」
「……じゃあダメだね」


しゅんとしつつもボクの上から退いて、手を引いて起こすとまたさっきの姿勢に戻った。


……付き合う前は、割と無理矢理なところ、あったのに。
最後にそういうことした時も、ボクは1回もいいよ、なんて言ってない。


彼女って、こういう、こと……?
扱いが違いすぎてソワソワするんだけど。


「んんん……泊まってく?帰る?」
「……帰るかなぁ」


今日は帰るって言っちゃったし。


最近は、両親との関係も良くなってきて、お家にいても息苦しくは、なくなってきた。
ちゃんと、自分の足で立たなきゃって思ったから。
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