綺桜の舞う
ボクが大事な話をしてるって言うのに、ユキはやっぱり頭の中がそう言うことでいっぱいなのか、服の中に手を入れてくる。


「……んんん、したい……」
「もう……」
「好き……琥珀、なんでそんないい子なの?」
「いい子っていうか……ユキのこと好き、だから……」


で、ユキは、もうダメだと言ってボクから離れていった。
大丈夫?って聞いたら、男の事情、なんて言って可愛い顔でムッとされた。


しばらくして、ユキが眠いって言ったからのんびりお昼寝して、というかユキの寝顔を見ながら2時間横になってただけなんだけど。


で、そろそろお家に帰るかな、っていうお話。



「んー……バイクで帰ろうかと思ったけど、歩くか」
「へ……」


マンションの前、駐輪場を引き返そうとするユキ。
バイクに乗る気満々で、鍵までしっかり持ってきた割には、決断が曖昧な気がする。


「いや、出来るだけ長いこと一緒にいたいし。
電車代俺が出すから歩こ?」
「え、でも……」
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