綺桜の舞う
いいから、とボクの手を掴んで嬉しそうに歩き出す。


……今思えば、ユキとこうやって外を手を繋いで歩くことなんてなかったから新鮮で。
ボクもギュッと握り返す。


「ユキ」
「ん?」
「助けてくれてありがとう」
「んー?こちらこそ、どういたしまして?」


好きな人とこうやって歩くことが、楽しいの、もっと早く知っておきたかった。



あれだけ怖かったのに、感情に任せるのも、案外悪くないのかもしれない。
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