綺桜の舞う
「琥珀ちゃん、2人になったらやるべきとっておきの技を伝授しましょう。男の子をその気にさせるやつです、ね?」


叶奏は嬉しそうに琥珀に耳打ちして、相手を赤面させると満足そうに琥珀を雪兎に返却した。


「叶奏」
「んー?」
「何教えた?」
「ん、うーん、内緒?」


叶奏は顔を綻ばせて、俺を見る。


「湊くんは今日もかっこいいね」
「ん……どーも」
「お酒回ってる?」
「俺多分、叶奏より弱いかも」
「ぽいね〜、顔赤い」
「暑い」


叶奏は俺の頬に触れて、嬉しそうな顔。


「ちゅーする?」
「しない?」
「ん、しないの?」
「外だからな」


シラフなの〜?と不満げな顔で俺の膝にパタンと倒れる叶奏。
そのまま寝る意識になる。


「……寝んの?」
「ん……」
「俺のことかまわねーの?」
「ん……?」
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