綺桜の舞う
ゆっくり眠りに落ちていく叶奏。
俺はぼーっと酒を飲み干す。


俺の手の届くところに叶奏がいる安心感を噛み締めながら、叶奏の頭を撫でる。
俺の隣は、やっぱり叶奏じゃないとダメだな、なんて素直に思う。
絶対言ってやらないけど、とか卑屈なことも思ってるけど。


……ただ、うん。
ちゃんと叶奏には伝わってるんだろうなって思う。


俺の膝の上で寝息を立てながら、ほんのり赤い頬を俺の腹に埋める叶奏。
俺はその叶奏の膝の裏に手を入れて抱き上げると、立ち上がる。


「お、大丈夫?転けない?」
「あぁ、……軽いからいける」
「無理だなって思ったらいいなよ」


宴会ムードのこの場で唯一シラフな有村が俺らの様子を見て心配そうな顔をする。
シラフといえども、有村も結構飲んでるから、足元がしっかりしているとは言えない。







俺は叶奏を2階、伊織の総長室を借りて、叶奏をベッドに寝かせる。


「……ん、みなと、くん……?」
「ん、起こした?ごめん」
「んん……お酒、終わり?」
「まだ飲む?」
「……んーん、湊くんといる」
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