綺桜の舞う
ほんとにこいつは……。
腹立つとか、そう言う次元じゃない。


「……やかましい。俺だって、好きで殴られてんじゃねーよ」


しかもあいつ、まじで力強いし。
もう昼間だって言うのになかなかに痛い。
殺意を感じた。
今朝の朝飯も結局食べる気起こらなくて、冷蔵庫に入れて、1人でバイク乗って姫野を探しながら向かったけど、結局見つかんなくて、このザマ。


「あー……しんど」
「ほんと、ベタ惚れだよねー」
「……帰りたい」


とても、帰りたい。
顔痛いし、姫野いないし。
頭痛いし、体重い。


「って、ほんとに調子悪そうに見えてきたんだけど。保健室行ってきたら?」
「……嫌」
「我慢しないほうがいいでしょ。最近いつ病院行ったよ?」
「あー……3ヶ月前ぐらい」
「ほらー、そーゆールーズなとこ、直しなよ?叶奏ちゃんと長いこと一緒にいるつもりなら尚更」
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