綺桜の舞う
11.綺桜同盟
「じゃあ、これで契約完了と言うことで」
「これから、よろしくね」
「よろしく頼む」
綺龍の総長、伊織がやけに軽く手を握る一方で心底うざったそうに手を握り返す夜桜副総長。
双方の手元にはお互いの面子の名簿。
俺たちの方からは、最近入った面子のリストアップもある。
ちなみに、夜桜幹部全員お揃い。
叶奏と蛍は下の階でいつも通り遊んでいるけど。
「私、こう言うのは全部朔に任せてるから」と早々に蛍の手を引いて幹部室を出たのは、スパイを見張るためか。
それとも。この後始まる話が気まずいからか。
どちらにせよ、蛍は「成くんとお話」とやけに嬉しそうだった。
「とりあえず、同盟に際してひとつだけ。
総長の話をしなきゃならなくて」
「そっちの?」
「そう、総長の話」
「それは本人の口から直接聞かなくてもいいこと?」
「あぁ。あいつが自分から話す勇気がないらしい、から」
朔がそう言って、夜桜幹部の香村雪兎の顔を見る。
「これから、よろしくね」
「よろしく頼む」
綺龍の総長、伊織がやけに軽く手を握る一方で心底うざったそうに手を握り返す夜桜副総長。
双方の手元にはお互いの面子の名簿。
俺たちの方からは、最近入った面子のリストアップもある。
ちなみに、夜桜幹部全員お揃い。
叶奏と蛍は下の階でいつも通り遊んでいるけど。
「私、こう言うのは全部朔に任せてるから」と早々に蛍の手を引いて幹部室を出たのは、スパイを見張るためか。
それとも。この後始まる話が気まずいからか。
どちらにせよ、蛍は「成くんとお話」とやけに嬉しそうだった。
「とりあえず、同盟に際してひとつだけ。
総長の話をしなきゃならなくて」
「そっちの?」
「そう、総長の話」
「それは本人の口から直接聞かなくてもいいこと?」
「あぁ。あいつが自分から話す勇気がないらしい、から」
朔がそう言って、夜桜幹部の香村雪兎の顔を見る。