綺桜の舞う
「……湊くんって、人前で好きとか言ったり、デレたり、しないよね?」
……別に叶奏と2人きりでもそんなにデレることはないけども。
「……まぁ、ないな」
「幹部室でも、そんなことしてない?」
「……あー、」
2人になったら、まぁ。
叶奏はデレデレだから。
「……たまに」
「そ……か」
蛍は俯きがちに、茶髪を耳にかける。
大きく息を吸って、吐いて。
いつもより、小さい声で。
「……くん」
「あ?」
「なる、くん。スパイ」
ぽたっと落ちた涙が黒く地面を染めた。
「成くん、だった。
でも、でも。
違うかもって、思って……叶奏のこと、どう思う?って。聞いたの。
『何もないのに、自分を貫けるのはすごいと思います』……て、言われて。
でも、どうしても信じれなくて……」
……別に叶奏と2人きりでもそんなにデレることはないけども。
「……まぁ、ないな」
「幹部室でも、そんなことしてない?」
「……あー、」
2人になったら、まぁ。
叶奏はデレデレだから。
「……たまに」
「そ……か」
蛍は俯きがちに、茶髪を耳にかける。
大きく息を吸って、吐いて。
いつもより、小さい声で。
「……くん」
「あ?」
「なる、くん。スパイ」
ぽたっと落ちた涙が黒く地面を染めた。
「成くん、だった。
でも、でも。
違うかもって、思って……叶奏のこと、どう思う?って。聞いたの。
『何もないのに、自分を貫けるのはすごいと思います』……て、言われて。
でも、どうしても信じれなくて……」