綺桜の舞う
「みんなが、私を待っていてくれたから。
私のことを信じて、ずっと寄り添っていてくれたから。
ここが私の居場所だって、確信できたから。
だから私は、みんなに恩返しをするために、なんの記憶もない私を受け入れてくれる居場所を守るために、みんなに笑っていてもらうために。
総長になったの」
目の前の彼は、ゴクリと唾を飲む。
「はい、次は私の番ね」
「……」
「どうして、綺龍を裏切ることにしたの?」
「……それは……俺には守りたい人がいるからです」
「ふふっ、私と一緒だね」
そして成くんは、地面を踏み締めて私に攻撃を繰り出した。
かわす。
ただ、できるだけ手は出さない。
出さないって、約束した。蛍と。
『……叶奏』
『ん?』
『蛍は、まだ成くんのこと、信じてる』
帰り際、私の制服の袖を引いた蛍は俯きがちにそう言った。
私は黙って蛍の頭を撫でた。
彼を連れ戻すこと。
守るべき人を守るために道を踏み外した彼に、私たちと前に進む道を選ばせること。
それが私の、するべきこと。
蛍のためにも、成くんのためにも。
私のことを信じて、ずっと寄り添っていてくれたから。
ここが私の居場所だって、確信できたから。
だから私は、みんなに恩返しをするために、なんの記憶もない私を受け入れてくれる居場所を守るために、みんなに笑っていてもらうために。
総長になったの」
目の前の彼は、ゴクリと唾を飲む。
「はい、次は私の番ね」
「……」
「どうして、綺龍を裏切ることにしたの?」
「……それは……俺には守りたい人がいるからです」
「ふふっ、私と一緒だね」
そして成くんは、地面を踏み締めて私に攻撃を繰り出した。
かわす。
ただ、できるだけ手は出さない。
出さないって、約束した。蛍と。
『……叶奏』
『ん?』
『蛍は、まだ成くんのこと、信じてる』
帰り際、私の制服の袖を引いた蛍は俯きがちにそう言った。
私は黙って蛍の頭を撫でた。
彼を連れ戻すこと。
守るべき人を守るために道を踏み外した彼に、私たちと前に進む道を選ばせること。
それが私の、するべきこと。
蛍のためにも、成くんのためにも。