綺桜の舞う
「湊くん、大丈夫?顔色悪いよ?」
「大丈夫。いつものことだから。
……今は俺じゃなくて、他の怪我した奴ら、見てやって。今回手当てしてあげれなさそうだから」


叶奏はうーん……と心配そうに頷くと走ってけが人のもとに駆け寄って行った。


最近は、全くこういうことなかったからな。
どれだけ調子悪くても、殴られたわけじゃないし、まともに食らったやつなんて一つもない。
それでも体が怠いのは久々のことに体が驚いているのか、それとも……。


……今風邪引いたら、死ぬかも。
それぐらい、怠い。


「はーい、湊くん。車きたから乗ろうね〜」
「……いいって、ほんと」


とは言いつつも、力の入らない俺は伊織にされるがまま。
車に運ばれる。


「良くないから。何のためのここだと思ってんの?死ねよ」
「……口悪すぎだろ、殺すぞ」


何だ、死にかけの人間に死ねよって。
縁起悪いだろ。
殺すぞ。
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