綺桜の舞う
叶奏が帰ってきたのは俺が家に帰ってから30分後のこと。
「湊くん!ただいまっ」
「おかえり」
「大丈夫?気分良くないよね?大丈夫?」
「今日は。薬もらったから明日は大丈夫」
ほんとに?と泣きそうな顔で抱きついてくる叶奏。
俺の服を掴んだ手にはいつもより力が入っている。
「大丈夫だから」
「病院、行くなら私も連れて行って欲しかった……。死んじゃうんじゃないかって、不安になった」
「そんなわけないだろ」
……こうやって2人でいるとよく思う。
叶奏のこと置いて、死んでたまるかって。
でも、こうも思う。
今俺が死んだら、残されたみんなは、叶奏は、俺のことを忘れないでいてくれるか、とか、悲しんでくれるか、とか。
……ガラじゃないな。
「叶奏。今日何食べたい?」
俺は笑って言う。
「パスタ食べたい……」
「却下。材料がない」
「じゃあオムライス」
「ん、じゃあそれで」
「あっ待って、私も手伝う!」
叶奏はキッチンに歩き出す俺をちょこちょこ追いかけてくる。
こうやって、俺のそばで笑っていてくれるなんて、すごく。
贅沢だなって思う。
「湊くん!ただいまっ」
「おかえり」
「大丈夫?気分良くないよね?大丈夫?」
「今日は。薬もらったから明日は大丈夫」
ほんとに?と泣きそうな顔で抱きついてくる叶奏。
俺の服を掴んだ手にはいつもより力が入っている。
「大丈夫だから」
「病院、行くなら私も連れて行って欲しかった……。死んじゃうんじゃないかって、不安になった」
「そんなわけないだろ」
……こうやって2人でいるとよく思う。
叶奏のこと置いて、死んでたまるかって。
でも、こうも思う。
今俺が死んだら、残されたみんなは、叶奏は、俺のことを忘れないでいてくれるか、とか、悲しんでくれるか、とか。
……ガラじゃないな。
「叶奏。今日何食べたい?」
俺は笑って言う。
「パスタ食べたい……」
「却下。材料がない」
「じゃあオムライス」
「ん、じゃあそれで」
「あっ待って、私も手伝う!」
叶奏はキッチンに歩き出す俺をちょこちょこ追いかけてくる。
こうやって、俺のそばで笑っていてくれるなんて、すごく。
贅沢だなって思う。